負けたくない、勝ちたい、優位に居たい。そんな心理は誰にでもあるものです。

とくに、高度経済成長期に、第一次、第二次ベビーブームがあって、子供の数が多すぎで、進学枠を取り合い、受験戦争なんて言葉が出てきました。

 

 

私も、自分の親がそうだったので、親自身が感じた教訓から、受験戦争に小学校4年から身を投じることになりました。みんな、生きる為には学歴が必要で、より豊かになるためには競争に勝たなければならないと教えられて来たんです。社会全体を占める想念が、それ以外の生き方を否定していた時代でした。

 

 

とはいえ、負けたくない、という気持ちは、生きる気力に繋がるので、まるまる否定はしません。競い合うから自動車だってどんどん進化して、いいものが作られてきましたし、安くて良いものが世の中に普及したおかげで、どんどん暮らしやすくなったのも事実です。

 

 

戦って何かを得るのは、男性の本能です。一方で女性は戦うよりは、育んで得るほうが向いています。体の生殖機能から見ても、毎月の月経や妊娠出産の機能は便利で必要なものであはあるものの、非常に負担になりやすいのも事実です。

 

 

戦うよりは、逃げるか譲るかして、戦地を離れて静寂の中で自分のコミニティーを一から作る方が長けています。本能として母性を持っているので、子供を産んで育てるのに戦地は向かないからです。

 

 

だけど、先ほども書いたように、生まれた頃から受験だ、受験だと言われて闘争本能を掻き立てる環境下で育てられたなら、女性に生まれつき備わっている本能は男性的な闘争心に染まってしまうのです。

 

 

小さい頃はそれでよくても、大人になるにつれて、月経が始まり、体が変化していくと、男性のように長く起きられなかったり、筋肉よりも脂肪がつきやすくなり、月経の準備期間のときに体調を崩しやすくなったります。

 

 

夜遅くまでの残業や、睡眠不足、偏った食事など、がむしゃらに男と同じように働くことは必ずどこかで女性の体を蝕むのです。

 

 

女性で生まれた以上、女性性を否定することは負担でしかありません。ホルモン注射とか、人為的なことをするわけではないのなら、女性であることを受け入れて、その恵みを得る方に舵を切るほうが自然です。

 

 

そもそも、今その瞬間、勝負事に考えてしまう必要性があるのか、その時々に考えてみてください。

勝つのか負けるのか、今あなたは何と戦っていますか？例えば、負けたとして、何を失いますか？勝ったとして、何を得ますか？勝った後、どうありたいと思っていますか？

 

例えば、勝つことで地位や名誉を得られたとします。もしかしたら収入が上がるかもしれません。それによってやりたいことの幅が広がり、今より豊かになるかもしれません。この時、自分が得たいものは勝つことの先にある豊かさであり、勝つことそのものではないことがわかります。

 

だとしたら、勝つことは豊かさを得るというゴールに至るまでの一つの道筋に過ぎないと言えるのではないでしょうか？

 

やりたいことの幅を増やしたいなら、勝つこと以外の方法はいくらでもあります。例えば友達を増やしたことで色んな趣味に出会い、やりたいことが増えたし、やり方や場所をその友達から提供されたとか。

 

あるいは、むしろ勝負事に負けたことで給料は減ったかもしれないけれど、逆に責任ある立場から離れることで自分の自由な時間が増え、好きな読書をしたり、家庭菜園をする時間が得られるようになり、そこから仕事以外のコミニュティに参加する機会を得られた、とか。

 

そう考えると、勝ち負けでは測れない価値も世の中にあり、豊かさの感じ方や得る方法は一つじゃないとわかります。

 

無い、と感じて不足に注意を払い続けるより、一歩引いて周りにある在るものに目をやる方が有意義だし、気分が良い状態でいられます。